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事業承継・M&A

企業経営において「事業承継」や「M&A」は、会社の将来を左右する極めて重要な経営問題です。後継者不足の深刻化、経営者の高齢化、事業環境の急激な変化を背景に、事業承継やM&Aを検討する企業は年々増加しています。

一方で、事業承継やM&Aには、法務・税務・労務など多岐にわたる専門的な問題が絡み、経営者一人で判断すると重大なリスクを抱えるおそれがあります。

本コラムでは、事業承継・M&A対応の基本から、事業承継・M&Aにおけるリスク、弁護士が関与する必要性、そして顧問弁護士として提供できる具体的なサポート内容までを、企業法務の視点から詳しく解説します。

事業承継・M&A対応とは

事業承継・M&A対応とは、企業が培ってきた事業、経営資源、従業員の雇用、取引先との関係を後継者・後継企業に引き継ぐために行う法務対応を指します。
事業承継では、親族内承継、従業員承継、第三者承継といった複数の方法があり、それぞれ法的課題が異なります。
M&A対応では、株式譲渡、事業譲渡、会社分割などの手法ごとに契約内容や責任範囲が大きく変わります。
事業承継・M&A対応を適切に進めるためには、会社法、民法、労働法、金融商品取引法などの知識を踏まえた専門的な法務判断が不可欠です。

事業承継・M&Aでよくあるお悩み

事業承継・M&Aで多くの経営者が抱える悩みとして、後継者が決まらない問題があります。中小企業庁の統計では、中小企業経営者の平均年齢は60歳を超えていますが、後継者未定の企業は約6割に達しています。

また、株式の分散、相続人間の意見対立、従業員の処遇への不安、取引先からの信用低下なども代表的な悩みです。

M&Aでは、買収価格の妥当性、表面化していない債務の有無、契約不履行時の責任範囲などが大きな不安要素となります。

事業承継・M&A対応の対象

事業承継・M&A対応の対象は、単に会社の株式や事業そのものに限られません。事業承継・M&A対応では、企業活動を支えるあらゆる法的要素が対象となり、これらを漏れなく把握しなければ、承継後やM&A成立後に重大なトラブルが発生するおそれがあります。特に中小企業では、経営者個人と会社の財産や責任が密接に結びついていることが多く、事業承継・M&A対応の対象範囲は広範になります。

まず重要な対象となるのが、会社の株式です。株式は事業承継・M&Aの中核となる資産であり、誰がどの割合で保有しているかによって、経営権の帰属が決まります。株式が親族や複数の相続人に分散している場合、事業承継後に経営判断ができなくなるリスクがあります。そのため、事業承継・M&A対応では、株式の集約方法や議決権の整理が重要な検討事項となります。

次に対象となるのが、事業用不動産です。工場、店舗、事務所などの不動産が経営者個人名義になっているケースは少なくありません。この場合、事業承継時に不動産をどのように承継させるかによって、賃料負担や税務上の問題が生じます。M&Aにおいても、不動産を譲渡対象に含めるか、賃貸として継続するかによって契約内容が大きく異なります。

さらに、取引契約も事業承継・M&A対応の重要な対象です。主要な仕入先や販売先との契約には、契約当事者の変更を制限する条項が含まれていることがあります。事業譲渡型のM&Aでは、契約の承継に取引先の同意が必要となる場合があり、事前の確認を怠ると事業継続が困難になるおそれがあります。

従業員との雇用契約も、事業承継・M&A対応の対象として極めて重要です。事業承継後やM&A後に雇用条件が変更されると、従業員の不安や反発を招き、離職につながるリスクがあります。特にM&Aでは、労働契約承継法の適用有無を正確に判断し、適切な説明と手続きを行う必要があります。

また、知的財産権も見落とされがちな対象です。商標権、特許権、著作権などが経営者個人名義になっている場合、事業承継やM&A後に権利関係が不明確となり、事業運営に支障が生じるおそれがあります。事業承継・M&A対応では、知的財産権の帰属を明確にし、適切に移転または使用許諾を行う必要があります。

加えて、借入金や連帯保証も重要な対象です。中小企業では、経営者が会社の借入れに個人保証をしているケースが多く見られます。事業承継やM&Aにおいて、保証解除ができない場合、後継者や買収企業に過大な負担が生じ、取引自体が成立しないこともあります。そのため、金融機関との交渉を含めた法的対応が不可欠です。

このように、事業承継・M&A対応の対象は、株式、不動産、契約、従業員、知的財産、借入金など多岐にわたります。これらを整理し、法的リスクを一つずつ解消していくことが、円滑で安全な事業承継・M&Aを実現するために欠かせません。顧問弁護士が関与することで、事業承継・M&A対応の対象を漏れなく把握し、将来の紛争を未然に防ぐことが可能になります。

事業承継・M&Aにおけるリスク

事業承継・M&Aでは、法務、財務、労務、経営の各分野にリスクが存在し、いずれか一つでも見落とすと、承継後やM&A成立後に深刻なトラブルへ発展する可能性があります。

法務リスクとしては、事業承継・M&Aにおいて契約書の内容が不十分である場合、後日、損害賠償請求や契約解除といった紛争に発展するおそれがあります。例えば、株式譲渡契約において表明保証条項が不十分であると、譲渡後に簿外債務や未払い残業代が発覚した場合でも、売主に責任を追及できない事態が生じます。事業承継・M&Aでは、契約書の文言一つが数千万円規模の損失につながることがあります。

財務リスクとしては、帳簿上は問題がないように見えても、実際には未計上の債務や将来発生する可能性の高い支出が隠れているケースがあります。例えば、過去の取引に基づく損害賠償請求の可能性や、保証債務の存在が後から判明することがあります。事業承継・M&A対応では、財務諸表だけで判断することは危険です。

労務リスクとしては、承継後やM&A後に未払い残業代請求や不当解雇トラブルが発生するおそれがあります。例えば、管理監督者として扱っていた従業員が、実際には管理監督者に該当しないと判断され、過去3年分の残業代を請求される事例があります。

経営リスクとしては、後継者が事業内容や業界特性を十分に理解していない場合、承継後に売上が急減することがあります。M&Aにおいても、買収後の経営統合がうまく進まない場合、想定していたシナジー効果が得られず、投資回収が困難になることがあります。

さらに、取引先との関係悪化というリスクも存在します。事業承継やM&Aの情報が十分に共有されていない場合、取引先が不安を感じ、取引条件の見直しや取引停止を求めるケースがあります。特に、経営者個人との信頼関係に依存していた取引先が多い場合、そのリスクが高まります。

加えて、個人保証や担保に関するリスクも重要です。中小企業では、経営者が会社の借入について個人保証をしていることが一般的です。事業承継・M&Aにおいて保証解除が実現しない場合、売却を終えたはずの経営者が過大なリスクを負うことになりかねません。金融機関との調整を行わずに進める事業承継・M&Aは、極めて危険です。

このように、事業承継・M&Aにおけるリスクは多層的に存在し、相互に影響し合います。これらのリスクを事前に把握し、契約書の整備、デューデリジェンスの実施、専門家によるチェックを行うことが不可欠です。顧問弁護士が関与することで、事業承継・M&Aにおけるリスクを体系的に管理し、将来の紛争や損失を未然に防ぐことが可能になります。

事業承継における弁護士の必要性

事業承継において、法的整理が不十分なまま進めた場合、承継後に紛争が顕在化し、事業継続そのものが困難になるおそれがあります。そのため、事業承継においては、弁護士の関与が不可欠です。
特に重要なのは、スポット対応ではなく、顧問契約を前提とした継続的な法的支援です。顧問弁護士は、会社の事業内容、組織構成、経営方針を日常的に把握しているため、事業承継を「点」ではなく「線」として捉え、段階的かつ計画的に進めることができます。事業承継は数年単位で準備すべき課題であり、顧問弁護士の存在が成功の可否を大きく左右します。

リスク管理

事業承継において最も重要なのは、潜在的な法的リスクを事前に把握し、承継前に整理することです。顧問弁護士は、日常的な契約書チェックや労務相談を通じて、問題点を把握します。例えば、特定の取引先との契約条件が曖昧である場合や、口頭合意に依存した取引が存在する場合、事業承継時に大きな障害となります。顧問弁護士が関与していれば、事業承継前に契約内容を整理し、リスクを低減することが可能です。

法改正への対応

事業承継に関連する法分野は多岐にわたります。会社法、相続法、労働法は頻繁に改正されており、過去に適法であった対応が、現在では不適切となっている場合もあります。顧問弁護士は、最新の法改正を踏まえ、事業承継計画を適切に修正します。特に、事業承継税制や労働契約承継に関する制度は、誤った理解のまま進めると重大な不利益を被るおそれがあります。

円滑かつ迅速な取引の実行

事業承継の局面では、迅速な判断が求められる場面が数多く存在します。顧問弁護士がいない場合、都度、事情説明や資料提出が必要となり、対応が遅れる傾向があります。顧問弁護士であれば、会社の状況を前提とした即時対応が可能となり、承継手続きを円滑に進めることができます。結果として、経営者の負担を軽減し、事業承継の成功確率を高めます。

交渉力のサポート

事業承継では、相続人、後継者、取引先、金融機関など、多数の関係者との調整が不可欠です。顧問弁護士は、法的根拠に基づいた交渉を行い、経営者の意向を適切に反映させます。特に、金融機関との個人保証解除交渉や、相続人間の利害調整においては、弁護士の関与が交渉結果に大きな影響を与えます。顧問弁護士が関与することで、感情的対立を避け、合理的な解決が可能になります。

当事務所の具体的なサポート内容

当事務所では、事業承継・M&A対応を単発の業務としてではなく、顧問契約を前提とした継続的な企業法務支援として提供しています。事業承継・M&Aは一時的な法的手続きではなく、準備段階から実行後まで複数年にわたる対応が必要となるため、顧問弁護士として企業に伴走する体制が不可欠です。

法務デューデリジェンス

当事務所は、事業承継・M&Aに先立ち、法務デューデリジェンスを実施します。具体的には、各種契約書の内容確認、未解決の法的紛争の有無、労務管理の実態、株主構成、知的財産権の帰属状況などを総合的に調査します。これにより、承継後やM&A後に想定外の法的リスクが顕在化することを防ぎます。

M&A契約書のリーガルチェック

株式譲渡契約書、事業譲渡契約書、合併契約書など、M&Aに関連する契約書は極めて専門性が高く、一文の違いが大きな責任差を生みます。当事務所では、表明保証条項、補償条項、解除条件、競業避止義務などについて、企業に不利な内容が含まれていないかを詳細にチェックします。顧問弁護士として継続的に関与しているからこそ、企業の実態に即した契約内容を設計することができます。

実行支援・法的アドバイス

事業承継・M&Aの実行段階では、関係者との調整や各種法的手続きが同時並行で進行します。当事務所は、クロージングまでのスケジュール管理、必要書類の整備、関係者との調整を一体的に支援します。顧問契約により、経営者がその都度説明を行う負担を軽減し、迅速かつ的確な意思決定を可能にします。

トラブル対応

事業承継・M&A後には、契約解釈を巡る対立や、労務トラブル、取引先との紛争が発生することがあります。当事務所は、顧問弁護士として平時から企業の状況を把握しているため、問題発生時に迅速な初動対応が可能です。早期対応により、紛争の長期化や事業への悪影響を防ぎます。

ご相談の流れ

事業承継・M&対応は、早期に着手するほど選択肢が広がります。当事務所では、顧問契約を前提とした相談体制を整え、経営者が安心して事業承継・M&Aを進められる環境を提供しています。

お問い合わせ・無料相談予約

まずは、電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。事業承継・M&Aに関する現状やお悩みを簡単にお伺いし、無料相談の日程を調整します。

弁護士との無料相談

無料相談では、弁護士が事業承継・M&Aに関する課題を整理し、法的観点から今後の進め方を提示します。

ご契約

相談内容を踏まえ、顧問契約または顧問契約を前提とした業務委託契約を締結します。サポート範囲と費用を明確にし、経営者が安心して事業承継・M&Aに取り組める体制を整えます。

業務着手(交渉・法的手続き)

契約締結後、弁護士が顧問として継続的に関与し、事業承継・M&A対応を本格的に開始します。交渉、契約作成、法的手続きを一貫して支援し、承継後まで見据えた法務体制を構築します。

当事務所では、税理士資格を有する弁護士が在籍しており、事業承継にまつわる法務・税務・労務等についてワンストップでのご対応が可能です。必要に応じて外部の専門家とも連携してのご対応が可能ですので、事業承継・M&Aについてお困りの場合は、ぜひ当事務所にご相談ください。

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